714人が本棚に入れています
本棚に追加
/416ページ
理宇に続いて新がシャワーを浴びて、新の髪を理宇が乾かしたあとは、二人でテレビニュースを観た。
日付が変わる少し前に、そろそろ寝ようかと新が言ったので、ソファから立ち上がる。
「布団、クローゼットだよな? 出してくる」
歩き出した理宇の手を新が掴んで引き留めた。
「今日は一緒に寝よう」
「……えっ」
振り返った理宇は、新と向き合った状態で硬直する。
「いやだ?」
新はもう片方の手も掴んで、ぎゅっと握り込んだ。
「……や、じゃない……全然」
しどろもどろに理宇が答えると、新が詰めていた息をほどく音が聞こえた。
リビングの照明を落とし、新に手を引かれて寝室に入る。
時間予約されたエアコンが作動している室内は、快適な温度に保たれているはずだけど、理宇は少し暑く感じた。
新が先にベッドに乗り上げて、理宇がおずおずと続く。シーツの上にちょこんと座り身動きの取れなくなった理宇を、新は安心させるように微笑んだ。
「おやすみ、理宇」
緊張しなくても大丈夫、とでも言うみたいに、新の指先がふわりと理宇の頬を撫でる。
新がリモコンで照明を落としたあと身体を横たえたので、理宇もぎくしゃくとそれに倣った。
最初のコメントを投稿しよう!