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「大手スポーツメーカーの営業やっけ? ビジュアルだけでええ仕事するやろな。キラッキラしとるし」
理宇のスマホ画面をスワイプしながら、雪哉が感心したように呟く。
「今は営業だけど、将来は商品企画に携わりたいからって、今めちゃくちゃ頑張ってる。新は昔から努力家で……」
「あー、はいはいはい。高校では短距離の選手で、めっちゃ練習してインハイいくレベルになって、勉強もできるから大学もええとこいって、おまけに誠実で優しくて、云々かんぬんやろ。もう千回は聞いたわ」
にっこり笑顔で新自慢を封じられた理宇は、不完全燃焼を覚えながら、まだ手をつけていなかった2杯目へと手を伸ばした。
「片想い歴何年やっけ?」
「10……11? いや、でも多分もっと前から好きだったと思う」
「そろそろ玉砕する気になったりはせえへんの?」
雪哉の問い掛けに、理宇は無言で首を左右に振った。
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