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◇ ◇ ◇
閉店後は同僚たちと新とで、近所の居酒屋を訪れた。
新と二人きりじゃないことが残念なような、今夜はこれでよかったような複雑な心境だ。
座敷の6人掛けのテーブルに通されて、店長、彩、竹内が横並びになり、その向かい側に理宇と新が座った。
理宇はレモンサワー、新はジンジャーハイボール、残りの3人は生ビールを注文する。
彩と竹内が中心になって料理を決めて、先に運ばれてきた飲み物で「お疲れ」と乾杯をした。
酒豪の彩が最初のビールを飲み干すタイミングで枝豆やチャンジャ、刺身などが運ばれてくる。
「はー、冷えた生ビール。目の前には極上のイケメン。日々の疲れが和らぐわぁ」
「彩さん、中身オッサンじゃないスか」
「イケメンに癒されてんだから乙女でしょ」
盛り上がる彩たちを見つめながら、理宇はちびちびとサワーを飲む。
平日ということもあり店内は空いていて、さくさくと料理が運ばれてきた。
焼き鳥の盛り合わせ、唐揚げ、大根サラダ、豚の角煮。
それぞれが食べたい分だけ自身で取り皿に盛っていく。
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