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「じゃあ今度理宇が泊まりにくる時に、挑戦してみようかな、角煮」
「お、やった。楽しみだな」
理宇がはしゃぐと、即座に彩が「ズルい、代われ」と訴えてくる。
「ダメです。新の角煮は俺のものなので」
理宇は右手を彩へと押し出し、断固拒否の意思を示す。
そんな時、店長がしみじみと呟いた。
「新くんと理宇ちゃんはほんとに仲良しだよねぇ」
枝前に手を伸ばした理宇の手が止まる。
仲良しって、どういう意味で?
俺、なにか変な態度取ってた?
1秒にも満たない短い時間のなかで、疑問と不安が頭の中を巡る。
動揺が指先に顕著にあらわれ、中身を取り出そうとした枝豆を皮ごと取り落としてしまった。
「っ……あ」
それは運悪く刺身用の醤油皿に落下して、黒い液体が周辺に飛び散る。
「あらら、大丈夫? あ、服にも掛かったんじゃない?」
店長に指をさされて慌てて確認すると、理宇が着ているシャツにも掛かっていた。
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