第12話

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「LiBで理宇が俺の服着てるの見た瞬間、顔がニヤけそうで危なかった」 「新はニヤけてても……カッコいいから大丈夫だって」 (……あ)  新の腕が、自分の腕に触れている。  無意識ではなく、故意の接触だと思うと、もうそれだけで顔がのぼせた。 「ごめんな、結局服借りて、……しかも汚して」 「全然。着てくれて嬉しい」  目を細める新を見て、本当に喜んでいるのがわかった。 「あと、メシもごめん。流れでみんなと一緒になって」  もしかすると新は、今夜は二人だけで食べたかったかもしれない。さっきから気にしていたことをついでに謝罪すると、新は笑って首を横に振る。 「みんなと食べるのも楽しくて好きだから」  屈託なく笑う新に、理宇はほっと息を吐いた。 「あと、俺が普段見られない理宇の話が聞けるから、嬉しい」 「……う」  知られたくないような、だけどそう言われるとやっぱり嬉しいような、複雑な気持ちになる。  そして、新の言葉を聞いて、ある場所がぱっと頭に思い浮かんだ。 「……あのさ、新。明日か、明後日……ちょっと付き合って欲しいところがあるんだけど」
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