714人が本棚に入れています
本棚に追加
/416ページ
「LiBで理宇が俺の服着てるの見た瞬間、顔がニヤけそうで危なかった」
「新はニヤけてても……カッコいいから大丈夫だって」
(……あ)
新の腕が、自分の腕に触れている。
無意識ではなく、故意の接触だと思うと、もうそれだけで顔がのぼせた。
「ごめんな、結局服借りて、……しかも汚して」
「全然。着てくれて嬉しい」
目を細める新を見て、本当に喜んでいるのがわかった。
「あと、メシもごめん。流れでみんなと一緒になって」
もしかすると新は、今夜は二人だけで食べたかったかもしれない。さっきから気にしていたことをついでに謝罪すると、新は笑って首を横に振る。
「みんなと食べるのも楽しくて好きだから」
屈託なく笑う新に、理宇はほっと息を吐いた。
「あと、俺が普段見られない理宇の話が聞けるから、嬉しい」
「……う」
知られたくないような、だけどそう言われるとやっぱり嬉しいような、複雑な気持ちになる。
そして、新の言葉を聞いて、ある場所がぱっと頭に思い浮かんだ。
「……あのさ、新。明日か、明後日……ちょっと付き合って欲しいところがあるんだけど」
最初のコメントを投稿しよう!