第13話

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  ◇  ◇  ◇  日付が変わる少し前にゼニスブルーを出て、徒歩で新の自宅へと向かう。今夜はあらかじめ新の部屋に泊まる約束をしていたから、明日の着替えや携帯歯ブラシなどを、普段あまり使わないスポーツバッグに詰めてきていた。 「理宇、酔った?」  無言でゆっくり歩いていたからか、新が心配して顔を覗き込んでくる。 「んー……」  強くないものしか飲んでいないが、たくさん飲んだし、なんだかフワフワしている。だけどそれはアルコールのせいだけじゃない気がした。  大勢の人に祝われて、雪哉に温かい言葉をかけられて、その間ずっと新が隣で微笑んでいて……なんだかずっと夢の中みたいに頼りない感じがする。  理宇の曖昧な返事を肯定と取ったのか、不意に新が足を止めた。 「おんぶしようか?」 「え……」  返事を聞く前に、新は理宇の一歩前に出て屈んだ。
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