第2話

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「……あ、そうなんだ。てか彼女できたなら早く言えよなぁ」 「ごめん」  その後は、付き合ってどれくらいとか、出会いはどこだとか、恋愛トークがしたいお客向けの定番の質問を、反射的に繰り出した。  照れからか、新は珍しくぼそぼそと歯切れ悪く答える。理宇は新の返答にいちいち「おぉ」とか「マジか」とか、大げさなリアクションをした。ついでに雑誌を読んで仕入れておいたデートスポット情報も得意げに披露した。 「あ、カラー剤足りないっぽい。ちょっと待ってて」  ヘアカラーボウルを手にバックヤードへ向かう。  フロアからは見えない位置に入った途端、涙腺が壊れたみたいに涙があふれた。
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