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「いやー、それにしてもこの間はビビったわ。彼氏イケメン過ぎて。よかったねぇ、想い通じて」
「……ん、ありがと」
思い切り照れる理宇に嬉しそうに笑ったハルは、上機嫌で雪哉にサーブされた生ビールに手を伸ばす。
「で、どうなの、イケメン彼氏とその後は。ちゃんと会えてる?」
「うん、休みほとんど合わないけど、週のうち何日かは泊まりにいったり、きたり」
「あー、そうなんだよなぁ。接客業って土日基本休めないとこがクソなんだよな」
「でも、メッセとかビデオ通話とかは、毎日、してる……」
「いいねぇ。ラブラブなんだ」
こういう類の会話をするのはまだ慣れず、話をするたび顔が火照って変な汗が出た。やたらと喉が渇いて、グラスの中身がどんどん減っていく。
「幼なじみなんだっけ? 子どもの頃から知ってる相手とか、恋人になると逆に色々気まずいとこない?」
「気まずくはない、けど……かっこよすぎて緊張はする。あと元々優しかったけど、さらに優しくなった」
「うっわ、強烈にノロけられた」
「これは飲まんとやってられへんね」
二人の会話を黙って聞いていた雪哉は、自分の分の生ビールをサーバーから注いだ。
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