第14話

4/15

714人が本棚に入れています
本棚に追加
/416ページ
「はー、でも付き合って2カ月くらい? 一番盛り上がる時期だもんなぁ。うらやましいわー。同棲2年目の俺ンとことか、もはやほぼただの同居人」 「まあ、そんなもんやって。ずっと一緒におっても苦やない相手って、実はかなり貴重やで」 「雪くん……マジ聖母」 「誰がママや」  雪哉は笑いながら焼き上がったピザを理宇の前に置くと、空になった理宇のグラスを回収した。 「ピンクちゃんペース早いけど大丈夫? ちょっと顔赤いな」 「うん、平気」  理宇の顔を確認してから、雪哉は新しく酒を作り始める。 「それでさぁ、どうなの……アッチの方は?」 「あっち?」  首を傾げる理宇に、ハルは「えーっと」と一呼吸置く。 「だからぁ、イケメン彼氏は上手いの? ソッチ関係」 「そっち…………あ」  意味深なハルの視線に、理宇はようやく言葉の意味を察した。  落ち着きなく視線をさまよわせて、だけど言葉はすぐに出てこないから、代わりに置かれたばかりの酒を勢いよく呷る。 「こら、酔いつぶれてもしらんよ」  注意された理宇は、飲むのを止めてグラスを戻した。それでもすでに半分ほど中身が減っている。
/416ページ

最初のコメントを投稿しよう!

714人が本棚に入れています
本棚に追加