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「はー、でも付き合って2カ月くらい? 一番盛り上がる時期だもんなぁ。うらやましいわー。同棲2年目の俺ンとことか、もはやほぼただの同居人」
「まあ、そんなもんやって。ずっと一緒におっても苦やない相手って、実はかなり貴重やで」
「雪くん……マジ聖母」
「誰がママや」
雪哉は笑いながら焼き上がったピザを理宇の前に置くと、空になった理宇のグラスを回収した。
「ピンクちゃんペース早いけど大丈夫? ちょっと顔赤いな」
「うん、平気」
理宇の顔を確認してから、雪哉は新しく酒を作り始める。
「それでさぁ、どうなの……アッチの方は?」
「あっち?」
首を傾げる理宇に、ハルは「えーっと」と一呼吸置く。
「だからぁ、イケメン彼氏は上手いの? ソッチ関係」
「そっち…………あ」
意味深なハルの視線に、理宇はようやく言葉の意味を察した。
落ち着きなく視線をさまよわせて、だけど言葉はすぐに出てこないから、代わりに置かれたばかりの酒を勢いよく呷る。
「こら、酔いつぶれてもしらんよ」
注意された理宇は、飲むのを止めてグラスを戻した。それでもすでに半分ほど中身が減っている。
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