第14話

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 期待に満ちた瞳を真横から感じて、理宇はモジモジしながら口を開いた。 「あっちとかそっちとかそういうの……まだ全然、だし……てか、最近やっと、くっついてても緊張しなくなった感じで……うん」  俯いてぼそぼそと答えたら、ハルがビールを噴いた。 「汚いなぁ」 「ごめ、……予想だにしない健全な回答に動揺を抑え切れなかった」  ハルはむせながら、おしぼりでテーブルを拭う。 「ピンクちゃんは初恋こじらせたまま大人になったピュアボーイ。恋愛に関してはバブちゃんやからな」 「マジで。特別天然記念物級だな」 「……バカにされてる」  むっと顔をしかめる理宇に、ハルは「してないしてない」と両手を振った。 「いいじゃんか、純愛でさ。一緒にいるだけでそんな幸せなんでしょ?」 「……うん」  恥じらいながらこくんと頷くと、二人は揃って「うわぁ」と呟き眩しそうに目を細めた。 「あ……でも」  理宇が思い出したように口を開くと、雪哉が「うん?」と尋ねる。
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