第14話

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「キスは……めっちゃ気持ちいいから……上手いのかも、しれない」  言った瞬間顔が焼けて、堪らずグラスに手を伸ばす。  最初は緊張ばかりでいっぱいいっぱいだったハグもキスも、最近は会えば必ずするようになった。  新の大きな胸に抱かれると、心地よくてずっとそうしていたくなる。大きな手で優しく髪を撫でられながら甘やかすみたいにキスされると、気持ちよくて頭がぼうっとした。 「えーと……ハグして、チューして気持ちよくなって……それで枕並べてお行儀よく寝てんの?」  なぜか驚愕の表情を浮かべるハルに、理宇は首を傾げた。 「行儀よく?かはわかんないけど、うん」  理宇が答えると、ハルは目を見開いて助けを求めるように雪哉を見た。 「今カレと付き合う前から夜のぶつかり稽古してた俺からすると、理解できない世界だわ」 「まあ、そこは人それぞれやから。寝起きにハグされてパニくって逃亡してたピンクちゃんからしたら、イチャついて一緒に寝てるだけでも大成長やん」 「……ん、ぐっ」  ピザを一口食べ、アルコールで流し込んでいた途中だった理宇は、その言葉に呻いた。
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