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「ピンクちゃんまで噴かんといてや」
「噴かないけど」
ニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべる雪哉に、理宇は恨めしげな視線で対抗する。
「でも新、たまに一緒に寝てくれない時あるんだよな」
「え、ケンカとかで?」
「そういうのじゃなくて……最初俺がめちゃくちゃ緊張しまくってたからか、気ぃ使われてるっぽいんだけど」
寂しさを滲ませた理宇の口調に、雪哉とハルが動きを止める。
「もしかして俺、いびきとかかいてんのかな。安眠できないのかも」
不安そうな理宇を見つめて固まっていた二人は、同じタイミングで互いの顔を見合わせた。
「ハルの言いたいことは猛烈にわかるけど、ほんまに人それぞれやから」
苦笑する雪哉に、ハルが何かを堪えるように眉根を寄せる。
「俺、今無性に彼氏くんに、めっちゃがんばれって伝えたい」
「え?」
頭上にハテナマークを浮かべる理宇に、ハルが「おバブちゃんめ」と苦く笑った。
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