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◇ ◇ ◇ ◇
華やかなメインストリートからは幾筋外れた一画に目的のビルはあった。揺れの激しいエレベーターで3階へ移動すると、すぐに現れたのは青色の扉だ。
理宇は自らの性指向について、はっきりとした自認がない。
物心ついた頃から同じ男である新が好きだったから、ゲイなのかもしれないが、他の同性に好意を抱いたことがないのでよくわからない。
だけど異性に対する欲求を強く覚えたこともないので、きっとそうなのだろうなと何となく感じていた。
男性同性愛者が集うバーの存在は知っていても、特に自分とは関係ない場所だと思っていたのに。
ネットでは、落ち着いた雰囲気で初心者におすすめの店だと書かれていた。それでも足を踏み入れるハードルが高いことに変わりはない。
1分ほど扉の前で躊躇って、緊張の面持ちでドアノブに手を掛ける。
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