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第3話
土曜日の夜、最終受付間際のLiB店内では、プチ撮影会が開かれていた。
入口の店名ロゴが飾られた壁の前に立つのは、ネイビーのリネンシャツに白のロールアップパンツを着た新だ。カジュアルでいてゆるすぎない爽やかなコーディネートは、日焼けした肌にしっくりと合っている。
ビジネススタイル用では、一定の方向に髪を流してきっちり目にまとめたセットを、オフスタイルの今日は全体を立ち上げつつ程よく散らして、アクティブな印象に仕上げた。
「あー、もうカッコよ過ぎか」
「目の保養です」
本来なら理宇一人で撮影をするのだが、気付けばスタイリストとアシスタントの女性スタッフも、新に断りを入れてスマホのカメラを向けていた。
「彩ちゃん、彼氏いるでしょ」
「べ・つ・ば・ら」
2つ年上の同僚を窘めると握りこぶしで力説される。
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