第3話

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 顔がニヤけているんじゃないかと少し心配になった時、唐突に手の中のスマホが震え出した。画面には登録のない携帯番号からの着信が表示されている。 「電話? 出てもいいよ」  気づいた店長に声を掛けられ、「すみません」と短く答えて通話ボタンをタップした。 『村瀬理宇様のお電話でしょうか?』  聞こえたのは、かしこまった口調の同世代くらいの男の声だった。 「はい、そうですが」 『私、住総ライフコミュニティの青木と申します』  聞き覚えのある社名に何だったかと思考を巡らせ、住んでいるマンションの管理会社がそんな名前だったと思い出した。 『村瀬様、今どちらにおいででしょうか?』 「えっと、今は仕事中で……」 『そうでしたか。お忙しいところ大変恐縮でございますが、早急にお伝えしたいことがありご連絡させていただきました』  その言い方に、嫌な予感がじわじわと込み上げてくるのを感じた。  それが顔に出ていたのか、新が心配そうに見つめているのが目に入る。  新はどんな表情をしてもかっこいいなと、こんな時なのに考えていた。
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