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「新?」
呼び掛けると、何かを考えこむようにしていた新が口を開く。
「うちに来れば?」
「……へ?」
「部屋の修繕が終わるまで。うちからだったら、理宇の店までそんなに遠くないだろ?」
「え…………」
新の提案に、硬直する。
俺が、新の部屋に、住む?
朝起きて、新がいて。
夜は新に「おやすみ」を言われて、同じ空間で眠る。
それが何日も続く?
いや、無理だし。絶対無理。即死。
自問自答は一瞬で終了した。
「大丈夫だって。家賃浮く分、ビジホにでも泊まるつもりだから」
「毎日ホテルに泊まってたら、家賃超えるんじゃない?」
「それは、そうかもだけど……」
「いつまで掛かるかも、はっきりわからないんだし、俺の部屋ならいつまでだって居てくれても構わないから」
「や、でも……」
「それとも、他に行く当てあった? 仲いい友達とか、彼女のところとか」
心なしか新の顔がしょんぼりして見えた。
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