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新が大学生の頃は、カラーやカットで遊びの要素を入れ、あらゆるバリエーションを楽しんだ。だけど社会人になればそれも難しい。
「新が社会人になって、ビジネス向けのヘアカット載せてから、ビジネスマンのお客様あからさまに増えたし」
「本当? ちゃんと貢献できてるならいいんだけど」
社会人2年目の律儀な幼馴染は、安心したように控えめに笑った。
「それにやっぱり、新はシンプルなのがいいよ。骨格だけじゃなくて耳の形もきれいだし、襟足すっきり浅めのツーブロがマストだな」
少し伸びて耳の上部を隠していた髪を撫で上げて、耳の裏側に隠す。
「ありがとう。理宇のカットとか、いい感じだっていつも会社や取引先の人に褒められる」
「ふふん、当ったり前。じゃ、切ってくから。夏用にちょい短めな」
「よろしくお願いします」
「おう、任せとけ」
ブロッキングして、シザーで髪を切り落としていく。
神経が通っていないとはいえ、人の身体の一部を切ったり染めたりするのは、やっぱり責任重大だと改めて思う。
長さを整えて、梳いて、20分ほどでカットを終えた。
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