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「じゃあ、一緒にベッド使う? セミダブルだから広々とはいかないけど」
「……え?」
声が思い切り裏返った。
1つのベッドで新と眠る。
……眠れるのか? いや、無理。
でも、だけど。
ここで頑なに一緒に寝ることを嫌がったら、変に思われるかもしれない。
意識しまくっていることが伝わって、新に気持ちがバレてしまうかもしれない。
それだけはどうしても避けたかった。
「理宇さえ嫌じゃなければだけど」
付け足された言葉に、ぐっと拳に力を入れた。
「い、嫌なわけないだろ。今まで何回一緒に寝てると思ってんだよ」
あははと声に出して笑って、新の腕の辺りを軽く叩く。
「じゃあ今夜は昔みたいに枕並べて寝るか。あ、枕1個しかないんだっけ」
無駄に陽気に言って、とにかく笑って、動揺を掻き消そうとした。
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