第4話

13/19
前へ
/416ページ
次へ
「理宇、枕使う?」 「え、いや、大丈夫、うん」  こんな近くに本体がいる上に、新の匂いがするであろう枕で眠るなんて、きっと脳神経に異常をきたしてしまう。 「明日、9時前には出るから朝うるさくするかもだけど、新は寝てていいからな」 「いや、俺、休みでも結構早く起きてるから」 「そうなの!? あー、新は朝強かったっけ」 「運動部だと強制的に朝方になるのかも」 「そういや、朝練めっちゃしてたもんな。てか、俺休みの日とか昼まで寝てるし」 「それは想像つく」  少しからかうように笑われて、そんな顔にもときめいてしまう。  理宇の寝ぎたなさは子どもの頃からの筋金入りだ。よく一緒に眠っていた新は、強制的に理宇を起こす係になっていたから、散々迷惑を掛けている。
/416ページ

最初のコメントを投稿しよう!

715人が本棚に入れています
本棚に追加