第5話

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第5話

 仕事が休みの月曜日。  18時半のオープンとほぼ同時にゼニスブルーの店内に入る。客はまだ誰もおらず、店の主が一人のんびりと煙草をふかしていた。 「お腹はすいてんの?」  いつもの場所に腰かけると、帰宅した息子に対するように確認をされる。夕飯はまだであることを理宇が伝えると、雪哉はさっさと軽食と1杯目を用意し始めた。 「なんか、話したいことめっちゃあるって顔してるやん」  手は止めないままで、理宇にチラりと視線をよこす。  そんなに顔に出ているのだろうかと心配になりなるが、実際その通りでしかない。グラスが置かれるより前に、理宇はこの3日の出来事を話し始めた。  自室が水浸しになって、新の家に居候することになったこと。一昨日に至っては同じベッドで眠ったことなど。
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