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「ちょっとの間にそんなおもろい展開になってたん?」
雪哉の表情からは驚きと、それ以上に楽しそうな期待感があふれている。
「全然おもろくないって。もう緊張でどうにかなりそう」
「えー? 全然ってことはないやろ。だーい好きな新くんとの同棲生活なんやしワクワクが止まらん状態やん」
目を細めてニマニマと笑いながら、「お待たせ」とピーチウーロンを理宇の前に置く。
「それは……そうだけど。でも、心臓への負担が半端ないっていうか」
そして、同棲などではない。
「で? ギューされてからはどうなん?」
「どうって、別に何も……」
ギューという表現に眉根を寄せて、尻すぼみに答えた。
いつもはなかなか覚醒しない理宇も、一瞬で目が覚めたあの朝。一時避難をしたトイレを出てからは、いつも通りだったと思うし、新も普通にしていた。
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