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新は半分以上寝入っているなかで理宇を抱き寄せた。
……正確には理宇ではない誰かだ。無意識下でも自然に抱き締めてしまえる存在。元カノか、はたまた現在進行形でベッドを共にするような相手が……
「うがーーーっ」
想像を掻き消すために叫んで、残っていた酒を一気に飲み干す。
「想像してしもてるやん」
雪哉は呆れた溜息を吐いて、空になった理宇のグラスを下げ、代わりにピザの載った皿を置いた。
「しないようにしても、脳が勝手に……」
頭を抱えて呻いている間に、雪哉が冷えたグラスを取り出す。
長い脚がついた細長い形状のピルスナーグラスに、レモン果汁とハチミツを混ぜ合わせて炭酸を半分まで注ぎ入れる。そこへグラスいっぱいまでサーバーからビールを注いだ。
フランス語で「混ぜ合わせた」という意味だというパナシェは、レモンスカッシュとビールを混ぜたカクテルだ。簡単そうなので理宇も自宅でビールとサイダーとレモン果汁を混ぜてみたが、雪哉が作るのとは味がまるで違った。美味しいのは美味しいけど、一口目の澄んだ感じや、爽やかな後口が再現できなかった。
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