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「関係壊したないっていうピンクちゃんの気持ちもわからんでもないけどな。でも、やっぱあとでしんどうなるんと違う?」
ピザをかじり、すっきりしたビアカクテルをちびちびと飲んでいた理宇の動きが止まる。
「気持ち押し殺して自分を偽り続けてたら、いつか限界が来るかもしれへんよ」
顔も知らない元カノ。いるかどうかもわからない今カノ。
それを想像しただけでどうにかなってしまいそうな理宇には、雪哉の言葉を笑って受け流すことはできなかった。
「でも、それでも……」
新を困らせたくないし、新の近くに当たり前のようにいられる権利を失いたくない。結局はそこに行きつく。
そんな気持ちは口にしないまま、唇を引き結んだ。
それでも長年理宇の泣き言を聞いてきた雪哉には、途切れたセリフの続きがわかってしまう。
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