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「豚まん、一回食べてみたかったんだよな。すごい嬉しい、ありがとな」
重量のある赤い紙製の箱を持ち上げて笑う。
新はそんな理宇を見て、満足げな顔で頷いた。
「いい匂いするから、めっちゃお腹空いてきた。今食べていい?」
「もちろん」
新の返事を聞き届けて、箱を手にキッチンへ移動する。一刻も早く食べたい食い意地に見せかけて足早に。
一時避難先のシンクの前で、理宇は静かに豚まんを置いた。
あー、だめ。可愛すぎ。出張で疲れてるのに、俺がいるからってお土産選んで買ってきてくれるの優し過ぎ。俺が喜んだらすごい嬉しそうなの天使過ぎ。
両手で顔面を覆い、ぶんぶんと頭を振って限界を迎えた新への感情をまぎらわせる。
「新も食べるだろ? 一緒にあっためるぞ?」
呼び掛けると、「うん、ありがとう」と返事が聞こえた。
平皿にこぶし大の豚まんを2つ載せ、少量の水を掛けてラップをしてレンジに入れる。
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