第5話

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「思ってたよりでかいんだな。1個でも十分腹ふくれそう」  ほかほかになった皿の端を持ってリビングに戻る。 「他のは冷凍庫と冷蔵庫に入れとく」  テーブルを占拠しているお土産たちを、新が片付け始めた。 「あ、でも甘いのもちょっと食べたいかも」  新は心得ているという風に、「うん」と一言答えて、お土産を持ってキッチンに向かった。  テーブルの上には、温まった豚まんと、新の手で四等分に切られたホールのチーズケーキが並んだ。  新とソファに座って、豚まんを頬張る。 「うわ、めっちゃジューシー! 皮もむっちりしててウマ」  初めて味わう名物は期待以上だった。興奮気味に絶賛しながら新を振り向く。しかし、新はまだ食べずに、なぜだか理宇をじっと見ていた。 「え? やっぱ腹減ってなかった?」  どうして食べないのかと首を傾げると、新は目を細めて笑った。 「そこまで喜んでくれたら、買ってきたかいがあるなって思って」 「だって……本当に美味しいから」  大はしゃぎしていたことが少し恥ずかしくなって、声のトーンが下がる。
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