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「思ってたよりでかいんだな。1個でも十分腹ふくれそう」
ほかほかになった皿の端を持ってリビングに戻る。
「他のは冷凍庫と冷蔵庫に入れとく」
テーブルを占拠しているお土産たちを、新が片付け始めた。
「あ、でも甘いのもちょっと食べたいかも」
新は心得ているという風に、「うん」と一言答えて、お土産を持ってキッチンに向かった。
テーブルの上には、温まった豚まんと、新の手で四等分に切られたホールのチーズケーキが並んだ。
新とソファに座って、豚まんを頬張る。
「うわ、めっちゃジューシー! 皮もむっちりしててウマ」
初めて味わう名物は期待以上だった。興奮気味に絶賛しながら新を振り向く。しかし、新はまだ食べずに、なぜだか理宇をじっと見ていた。
「え? やっぱ腹減ってなかった?」
どうして食べないのかと首を傾げると、新は目を細めて笑った。
「そこまで喜んでくれたら、買ってきたかいがあるなって思って」
「だって……本当に美味しいから」
大はしゃぎしていたことが少し恥ずかしくなって、声のトーンが下がる。
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