715人が本棚に入れています
本棚に追加
「こんな時間なのに、もう1個いっちゃいそうなくらい」
「理宇、もしかして夕飯まだだった?」
「食べたけど……バーでピザとポテト」
さすがに食べ過ぎだろうかと、腹部を撫でさする。
「バー行ってたんだ……デート?」
「え、違う違う。1人だし。いつも行ってる店でちょっと飲んでただけ」
「そうなんだ。行きつけのバーがあるとか、なんかカッコいいな」
「いや、行きつけっていっても俺そんなに飲めないし、いっつも弱いのしか飲んでないから。洋酒をロックでグイっといく感じの店でもないし」
雪哉の店の棚には、もちろん高そうなウイスキーのボトルも並んでいるが、注文されるのはハイボールやカクテル、ビールばかりだ。琥珀色の液体に氷を揺らしてじっくり愉しむような客は、あまり見たことがない。
最初のコメントを投稿しよう!