第5話

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 新にはこの感情を隠し通す。  自分が今まで貫いてきた選択は、いつか新を傷つけることになるのかもしれない。  それを思うと、今まで何度も潰してきた、新に打ち明けるという選択肢が頭に浮かぶ。 「理宇が何が嬉しかったとか、嫌だったとか、些細なことでも俺は全部聞きたい」  真摯な言葉と、まっすぐの眼差しから、大事に想われているのだと実感できる。  『そんな嬉しいこと言われたら、照れるだろ』なんて、いつもの軽口が出てこなかった。  今唇を開いたら、好きだと口走ってしまいそうだった。  言葉の代わりにもう一度新を強く抱きしめる。 「理宇?」  新は同じ強さで抱き返してくれた。  雪哉の言う通り、気持ちを打ち明けて、この感情を終わらせるべきなのかもしれない。限界が来て、コントロールができなくなる前に。
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