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第6話
翌日は、チルドパックされた有名老舗店のたこ焼きをレンジでチンして朝食にした。
「んー! ウマい。これが真の本場の味かぁ」
関西でしか買えない商品だと思うと、その味わいが余計に特別なものに感じられる。
「店で焼いたのをその場で食べたら、もっと美味しいと思うんだけど」
「まあ、焼き立てには敵わないよなぁ。これも十分ウマいけど」
言い終わらないうちに、2つ目のたこ焼きに箸を伸ばし、ふーふーと吐く息で冷ましてから口内へと運ぶ。生地自体の味が濃くて、ソースがなくても美味しく食べられる。
「関西ってウマいもんいっぱいあるよなぁ。専門の時に行ったきりだけど」
食べたいものは多くあれど、当時は金銭的にも時間的にも余裕がなく、結局「あれ食べたかったのに」というフラストレーションをお土産にしていた気がする。
「今度行く?」
「え……」
新の提案に、口に運ぼうとしていた箸が止まる。
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