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「関西じゃなくても、どこか美味しいものがあるところに、旅行」
新と旅行。
想像だけでワクワクが止まらなくなる。
最後に一緒に旅行したのは、小学生の時、理宇の家族と新の家族合同で北海道に行った時だったか。
新と2人で旅行できたら、きっと夢のような時間だろう。ドキドキもしっぱなしだろうけど。
それでも理宇は2人旅行への憧れに見ないふりをして、年長者ぶった得意げな笑顔を浮かべる。
「俺と旅行もいいけどさ、そういうのは女の子と行った方がいいんじゃないの?」
本当は行ってほしくないけど。
彼女との旅行のお土産なんか買ってこられた日には、多分一人の部屋で泣いてしまう。
そんな理宇の心情が伝わったかのように、新の顔から笑顔が消えていた。
「……俺は理宇と旅行したい」
じっと強い視線を送られて、理宇は気圧されたように少しのけぞった。
なんだよ、そんなこと言うなよ、可愛いじゃんか。
胸の奥がぎゅうぎゅう締めつけられるのを感じながら、どうにか平静を装う。
「まあ、そうだよな。気ぃつかわなくていい男相手と気楽に行くのも楽しいよな」
ヘラヘラと笑う理宇に、新はやや遅れてから「うん」と答えた。
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