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マンション入り口は合鍵を使って入り、部屋の前でインターホンを押す。いくらも待たずドアが開かれ、すでにシャワーを浴びたリラックスウエア姿の新に出迎えられた。
「お帰り、お疲れ様」
「た、ただいま」
やっぱり妙な照れがあって、お互いに顔を見合わせて笑ってしまう。
部屋に入ると、すぐにカレーのいい匂いが漂ってきた。
「え、もしかして、作ってくれた?」
「うん、料理ほとんどしたことないから自信ないけど、カレーならいけるんじゃないかと思って」
「うっわ、嬉しい。食べたかったんだよな、カレー」
もしかすると、朝に帰宅時間を訊いた時から、作ってくれようとしていたのだろうか。
会社帰りにスーパーに寄る新。
カレールーはどれにしようかと迷う新。
どの野菜が新鮮か吟味する新。
カレーを作って食べないで、自分を待っている新。
想像したどの新も可愛すぎて、ギューしてグリグリしたくなるのを理宇は必死に耐えた。
手を洗って、カレーをよそってくれている新の隣りでグラスにお茶を注ぐ。
2人ソファに並んでいただきますをしてから、具の大きなカレーを頬ばった。
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