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俺がバイクに乗ってヘルメットをかぶっている間に後ろにボールを抱えて乗ってくる。降ろしても乗り降ろしても乗り…乗ってすぐ走らせて怪我させたらそれはそれで問題だよな…
「おじさん忙しいんだよ」
「こんな日に公園に居るおじさんはろくな人間じゃないってお母さんが言ってた!けど、あれ嘘なんだね!」
「ん?んー…どうなんだ?」
目を輝かせる小学生に困らされる。確かにろくな人間かと聞かれたら答え辛いものはあるな。ヘルメットを外してチビの頭を撫でると、嬉しそうに笑うものだから俺も笑ってしまう。
「僕の名前は大地!優木大地!おじさんは?」
「ん?あー、悠馬。成沢悠馬だ」
個人情報ガバガバ過ぎるだろこの子。俺が悪いおっさんだったらその情報だけで色々やっちゃうんだが??
しかし、ずっとまっすぐ俺を見てくるがこれはどうしたものか…。頭を掻きながらどうしたものかと悩んでいれば、また後ろに乗り始めた。これは家まで送ってやるのが早いのか?
「チビ家はどこだ?」
「んーとね?」
あっさり教えてくれた…本当危ないぞ。まぁ俺の知ったことではないので家まで諦めて乗せてやる。チビにヘルメット被せたのでもちろんノーヘルだが。
二階建ての庭付き一戸建てで、大型犬も飼っているみたいだな。家まで届けてやれば、降りてヘルメットを返してからまた会おうねなんて言って家の中に入っていった。またなんてないからな??
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