9人が本棚に入れています
本棚に追加
「ご、ごめん!」
あの後、気まず過ぎた俺たちは急いでファミレスを出てきた。
あの時の店員さんの顔、忘れられなさそう。
今は近くの公園でベンチに座っている。
隣では申し訳なさそうに俺を見る賢人。
そんな賢人の頭をぐしゃぐしゃにした。
「気にしないで。そんな謝んなくていいって」
「うん…。…じゃあ、返事きいていいか」
「あ、えっと…」
賢人は不安そうに俺の顔を覗く。
「セフレに、なりたいんだっけ」
「うん。で、どう?」
何か吹っ切ったようにさっきよりか少し強くなった語尾。
俺はどう言えばちゃんと俺の気持ちが伝わるか、脳内フル回転させて考える。
「…俺は、賢人と、………セフレにはなれない」
「そう、か…」
「でも、俺は…「じゃあ、もう行くわ」はっ!?ちょ、待てって!」
言い終わる前に賢人は立ち上がって走り出す。
俯いたままの顔と震える手を見て、やってしまったと思う。
俺が言いたかったのは、賢人とヤるなんて無理とかそんな事じゃなくて。
セフレじゃなくて、恋人になりたいってことだったのに。
最初のコメントを投稿しよう!