初めて

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「麦茶でいい?それしかなくて」 「うん。ありがと」 俺は今、賢人の部屋にいる。 余裕があるように見せかけているけど、内心ドキドキで心臓が壊れそう。 ちょこんと賢人が俺の前に座る。 何をする訳でもなく、沈黙が続く。 「……えっと、そうだ!中学の時のアルバムでも見る!?」 この沈黙に耐えられなくなったのか、賢人が不自然な声の大きさで話しかけてきた。 俺が返事をすると、賢人は俺の後ろにある収納ボックスの2段目を開けた。 と、思ったら、すごい勢いでそれを閉めた。 「何?どうかした?」 「い、いや、えっと……ここじゃなかったみたいだ」 「絶対何かあったよね?」 めちゃくちゃ動揺してる。 俺は止める賢人を無視して、そこを開けた。 そこには使った形跡のないローションとコンドームが入っていた。 「…………え?」 「……………あぁもう!だから開けて欲しくなかったんだよ!」 照れている顔が見たくて、顔を覆っている手を無理やり離す。 真っ赤になったその顔は、俺のド真ん中を射抜く。 ──────もっと、見たい。 賢人の耳に顔を近づけてこう言った。 「準備してくれて、ありがとう」 赤が深まった顔を見ながら、ゆっくりと賢人の体をベッドに沈めた。
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