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4 エピローグ また別のお話に向かって
由理香は舞と言う親友を取り戻したものの、先の事件で受けた精神の傷は大きく、スクールカウンセラーを受診することになった。事情を聞いた新担任の勧めからくるものである。
6年1組であるが…… ちぐさ先生は事件後、程なくにして自主退職。古屋敷校長より「君に教育者の資格はない」と引導を叩きつけられ、教鞭を置くことを決意。
そのため、他校より六年生の担任経験が長いベテランの新担任を招聘することになった。
その後、発覚したことだが…… ちぐさ先生は先の森本愛菜による爆破脅迫事件にも一枚噛んでいた。愛菜は気が付いていないが、共犯関係になっていたのである。
愛菜は「運動会のチアリーディングで自分の母に詰られたくない」
ちぐさ先生は「自分の娘がセンターではない運動会のチアリーディングなぞ見たくない」
と、無茶苦茶でありながらも「運動会を中止させる」と言う目的は一致していたためにちぐさ先生が協力する流れとなったのである。
一番初めの愛菜による脅迫電話を受け付けたのはちぐさ先生だった。ちぐさ先生はハンカチで口を塞いだチャチな変声工作を施された声を聞いた時点で自分のクラスの愛菜の声だと言うことを見抜いた。この時点で「イタズラ扱い」としてそのまま電話を切り、相手にしないことも考えたのだが「運動会の中止」と言う目的は自分も考えていたために、あえて協力することにした。ちぐさ先生も愛菜の母親のことは知っており、詰られていることも相談されていた。愛菜の動機すらも見透かしていたのである。
しかし、所詮は爆弾も無しに「運動会の中止」を求めるだけの小学生レベルのイタズラ。一応フリとして爆弾を探すように教師達に提言し、運動会の是非を曖昧にすることだけがちぐさ先生のアシストの限界。爆弾は無く「やっぱりイタズラ」とのことで、運動会は開催の流れとなった。
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