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N山の頂上に登った時の事。
富士山が絶景だったので、数枚シャッターを切り、喫茶店で休憩して、さて、帰るか、と席を立った。
下りの山道を歩降っていると、背後からゴロゴロと何かが転がる音がする。
振り返るとコンビニ袋が回転しながら、此方に向かって来る。
脇に逸れてかわすと、コンビニ袋は追い越して行った。
追い越される刹那、袋をみやると、「生ゴミを捨てるな」と注意書きが貼られていた。
気になってから袋を追い掛けたが、袋の口から髪の毛がハミダシテいたので、そこで、止めておいた。
そういえば何年か前に頂上で袋に入った生首が発見されて大騒ぎとなったのを思い出した。
袋と同じ方向に進んでいると思うと、生きた心地がしなかったが、麓まで降りるて帰路を急いだ。
その日の晩、部屋の入り口にあるペット用の出入口がカタカタと鳴る。
ベッドから起きて入り口の様子を伺うと、二つの目が外から室内を覗き込んでいた。
猫のミャムではない。
あれは人の目だった。
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