プロローグ。

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その日、私は――私たちは知らない世界を知った。 とっても身近にあるのに、知らない現実を知ったのだ。 ペットを飼う。 命を飼う。 それは、責任が必要である。 何故なら彼等は、知能があり、感情があり、現在(いま)を生きているから。 自分と同じで彼等も私たちと、何一つ変わらないのだと……改めて認識したのだった。 ーーー 彼氏は平日、仕事で夜に帰ってくる。 その間、私は家事を勤めている訳なのだが……どうしても保護猫喫茶の事が頭から離れず、時間がある時に通い始める様になった。 「あ。 青山さんこんにちは~」 「あ、ども…お邪魔します」 「どうぞ、どうぞっ!」 私は猫たちに癒しを求めに来た――それが初めて、この場所に来た理由だ。 でも現在(いま)は……この子達の為に、少しでも力になれたら。 私の様な性格が終わってる奴でも、この子達の為に少しでも出来ることはないだろうか?と考える様になり、気付けば―― 「あの…ここで働く事って出来ませんか?」 ――私は自分の気持ちを、店員さんに伝えた。 いや、店長さんに。
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