プロローグ。

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彼女は私よりも若く、今年で24になるらしいのだが……私なんかよりシッカリしているし、少なくとも命を預かる仕事をしている。 この子達の為に、現在(いま)を生きている……私もそんな人間になりたい。 その心の内を、私は店長さんに伝えたのだ。 「分かりました……今度、面接しましょうか」 「い、良いんですか?」 「青山さんのお気持ち。 すごく嬉しかったので」 店長さんは優しく微笑んで、快諾してくれた。 まだ受かった訳ではないけど……でも、こんな私でも変われるかもしれない。 この子達を支える事が出来るかもしれないと――そう、感じたのだ。 ーーー 彼氏に保護猫喫茶で働くかもしれない事を伝えると、彼は「良いじゃないか。 素晴らしい事だと思うよ!」と、応援してくれた。 そして、面接日。 私は、私の事を包み隠さず話し、こんな私でも――と、店長さんに想いを告げた。 結果、今週から働く事になった。 動物関係のお仕事は初めての事だし、お客さんも来ることからサービス業とも言える。 初物尽くしの仕事内容で、覚えるのも遅いし、失敗もするし、お客さんに質問を訊かれ受け答え出来る様になるまでも大変だった。
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