プロローグ。

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でも、楽しかった。 この子達の為に、私という存在が役立っている様な気がして嬉しかった。 充実した時間を過ごせていた。 彼氏には、「夕飯とか気にしないで大丈夫だからね。 僕の方が早いときは僕が作るからさ」なんて、優しい事を言ってくれる。 保護猫喫茶を通して、私のコミュニケーション能力も上がりつつあったし、何より、お客さんと会話するのも楽しく感じ始めていた。 ようやく、天職に巡り合えた…そうも思える程に……。 ーーー そんなある日の事だ。 保護猫喫茶に、新しい仲間がいた。 黒猫の男の子……名前はなんだろ? 私は店長に訊いてみたが、まだ決まってないとの事だった。 どの様な経緯で来たのか?という情報も何故か曖昧だった。 「あ。 そうだ! 青山さん、名付け親になる?」 「えっ……? 良いんですか??」 「うん。 良かったらお願いしてもいい?」 まさかまさかの名付け親っ! これは私のセンスが問われる、という事。 黒猫だから……クロ。 いや、それは流石に安直過ぎるか。 そこで私は……黒猫と視線が重なった気がした。 「……スーちゃんなんて、どうでしょうか?」
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