プロローグ。

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「は……?」 これが、その時の答えだった。 友達の紹介で知り合って、何度かみんなと遊んでいたけど……コミュニケーション能力抜群の周囲に私は溶け込めなかったし、一人、完全に浮いていたと思う。 なのに、彼は私に対して「ごにょにょごにょ……」と言ったのだ。 「好きにゃんだー!」と言ったのだ。 「は……?」と言ってしまっても仕方ないと思う。 彼は見た目、カッコいいし、アイドルみたいな童顔でコミュ力がない私なんかに声を掛けてくるとは思わかったし……きっと、「可哀想な子がいるな」とか「すずの事、何とかしてくれない?」と友達が話して遊んでくれているのだろう……と思うのが普通だ。 だって、私の見た目は……お世辞にも可愛いとは言えない――でも、彼は「アニメが大好きだし……趣味が君と合うし、僕、顔とかより中身が大事だと思うんだ……」とか言うものだから。 「顔が悪くて、悪かったな……ク○野郎」 とか言ってしまった…。 つい、反動で、出来心で。
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