万年初級の冒険者。

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その子会社が失敗ばかりすれば……ギルドの名に泥を塗る事と同意である。 だからこそ、冒険者は基本パーティーを組み、仕事にあたる――100%の働きをする為に。 「頼むよ……マスター。 我が儘を言ってるのは分かってる。俺がダメダメなのも百も承知だ……でも、この前の仕事で失敗して、俺個人ではギルドも首を縦に降ってくれなくなってしまったんだ……頼むよ。 頼むよ……!」 ワンは地べたに倒れるかの様な五大投地……必死に頭を下げ、懇願した。 「はぁ……仕方ないね。 けど、これっきりだよ。 もし、失敗したら……私も、もう知らないからね」 「ま、マスター……!」 ワンは飛び跳ね、膨よかな女性の胸元へ――「気持ち悪いから、止めとくれっ!」マスターは再び狂暴なトロールと化し、ワンに強烈な張り手を食らわす! 「おべっぽ……!」 ワンは再び、五大投地……気を失った。 ーーー 翌日。 ワンは装備を整え……といっても、1度も使う事がなかった相棒のロングソードを背中に装着。 白のローブは……薄汚れ灰色と化し始めてはいるが、そのローブをはためかせて、いざ任務へ。 目指すはオルロック街道に生息する蝙蝠猫の討伐、及び……羽を採集する事だ。
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