72人が本棚に入れています
本棚に追加
その子会社が失敗ばかりすれば……ギルドの名に泥を塗る事と同意である。
だからこそ、冒険者は基本パーティーを組み、仕事にあたる――100%の働きをする為に。
「頼むよ……マスター。 我が儘を言ってるのは分かってる。俺がダメダメなのも百も承知だ……でも、この前の仕事で失敗して、俺個人ではギルドも首を縦に降ってくれなくなってしまったんだ……頼むよ。 頼むよ……!」
ワンは地べたに倒れるかの様な五大投地……必死に頭を下げ、懇願した。
「はぁ……仕方ないね。 けど、これっきりだよ。 もし、失敗したら……私も、もう知らないからね」
「ま、マスター……!」
ワンは飛び跳ね、膨よかな女性の胸元へ――「気持ち悪いから、止めとくれっ!」マスターは再び狂暴なトロールと化し、ワンに強烈な張り手を食らわす!
「おべっぽ……!」
ワンは再び、五大投地……気を失った。
ーーー
翌日。
ワンは装備を整え……といっても、1度も使う事がなかった相棒のロングソードを背中に装着。
白のローブは……薄汚れ灰色と化し始めてはいるが、そのローブをはためかせて、いざ任務へ。
目指すはオルロック街道に生息する蝙蝠猫の討伐、及び……羽を採集する事だ。
最初のコメントを投稿しよう!