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「……いた」
街道から数メートル離れた茂みに、黒く動く物体が――あれは、お目当ての蝙蝠猫だ。
毛繕いでもしているのだろうか……?
ペロペロと体を舐めている――好機!
俺には、剣の才能も、魔術の才能もない……そんな俺を「パーティーに入れてやろう」という奇特な奴はいない。
パーティーならば、この距離から攻撃を仕掛けられる奴もいるだろう……だが、俺の武器は剣しかない。
数メートルも離れている相手に剣では届かない……なら、どうするか?
俺は考えた――考えた、結果。
俺は地に転がる石を何個か握る……標的に照準を合わせて……叫んだ。
「くらえっ! 必殺、石つぶて!」
速くもなく、遅くもない速度で小石は……流星群の様に毛繕いをしているモンスターに飛来……!
ンニャッ……!?
見事に命中!
蝙蝠猫はフラフラとその場に倒れた……倒したのか?
ニャ……アァ……。
いや、息はある。
モンスターが回復する前に、俺は近付く……今度は確実に仕留める為にもロングソードを強く握る。
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