万年初級の冒険者。

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蝙蝠猫の羽、翼は……肌触りが良くローブに使われる事が多い。 俺が討伐するこのモンスターも、無駄死にではない――無駄死にではないのだ。 「落ち着け……落ち着け……」 俺は蝙蝠猫を射程圏に入れる――剣での射程圏内だ。 くそ……いつもこうだ……。 俺は極度の緊張持ちである様で、いざ、という時に強張ってしまう。 その性格、いや本能が災いとして、ギルドでの仕事を今まで1つも達成した事がない……。 ニャ……ニャアッ! 「う、うおっ……!」 蝙蝠猫は羽を、翼を拡げた。 いかん――逃げる気だ。 そうは、そうは……。 「そうはさせるかぁ……!」 俺はロングソードを振った。 力一杯に振り下ろした――その先に。 「止めてっ!」 唐突に何かが現れた――俺は驚き、ロングソードは標的を外して地を抉った。
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