Beast Master。

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チビった、だけならまだセーフかな? 大人になって粗相をしたなんて事が世間に広まってしまえば……冒険者としても、人間としても終わってしまいそう、だからな。 一流の冒険者には通り名が付くらしいし、俺がそうなった時にお◯っこを漏らしたなんて事実があっては……元も子もない。 いや、お◯っこは黄色、つまりは黄金。 という事は……英雄の領域、黄金級冒険者、『粗相のワン』それならまだ、マシか? グルゥウオワァァァァ! 「ひぃっ!」 って……そんなバカな事を考えていたら、吠えられた。 いや、だって……バカな事も考えたくもなるだろう? 現在逃避、したっていいじゃないか。 どうせ……俺はここで死ぬ、のだから。 目の前にいるこのモンスターは、先日、冒険者総勢20名で何とか討伐したという……間違いなく、ここら辺では最強のモンスターだ。 店の常連の話では――詠唱を短縮すべく、魔術が付与される高価な巻物(スクロール)を誰もが所持し、戦士や剣士での前衛に、弓矢や攻撃魔法での中衛。 支援や回復魔法での後衛という陣形を駆使し、有能な指揮官(リーダー)の采配があって……ようやく、倒せるかどうかの相手だ。
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