プロローグ。

6/17
72人が本棚に入れています
本棚に追加
/287ページ
でも、仕事を辞めてしまい、未だ就職出来ていない私を責めない彼氏はなんて優しいのだろうか……? その優しさに甘えてしまっている私は――何者なのだろうか?と、考えてしまう、ここ最近。 「あ、そういえば――」 彼氏が着替えながらに、気になるワードを出してきた。 「――駅前に保護猫喫茶がオープンしたみたいだよ」 保護猫、喫茶……その言葉に何故か牽かれた。 ーーー 翌日――保護猫喫茶に遊びに行った。 気になったし、動物は好きだし……最近、精神的に疲れている気がしていたし、息抜きに遊び感覚で行くことにした。 駅前、オープンしたばかり、という事もあってそこそこお客さんはいた。 猫の数は30匹いるそうだ……と、言っても皆が出ている訳ではなくて、ゲージに入っている子もいる。 「こんにちは~」 店員さんは、若くて可愛い感じの子だった。 「こ、こんにちわわん」 彼氏が久しぶりに噛んだ。 ここはいぬカフェではなく、ねこカフェだと言うのに……。 噛むなら噛むで、ねこ関係にしてほしいところだ……全く困った奴だ。 「か、噛んじゃった……はずいよぉ~」 そんなアホな事を考えていると、彼氏は耳打ちをして来た。 ……可愛いかよ。
/287ページ

最初のコメントを投稿しよう!