プロローグ。

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至る所に、猫が好きそうなトンネルや釣竿、椅子等が置いてある。 「すず。 見てよ!」 彼氏が近くにあるゲージを指差す――何事かと中を覗いてみると、猫がハンモックで寛がれていらっしゃる。 「やばっ! かわいいっ!」 「ね。 ほんと可愛いよ」 気付けば私は、猫の虜になりつつあった。 彼氏も楽しそうに笑ってるし、明らかに癒されている顔だ。 「その子。 ハナちゃんって言います」 音もなく、店員さんがステルス発動しながら近付いて来ていた。 「ハナちゃんですか?」 落ち着きを取り戻した彼氏が、即座に対応…愛想良く振る舞っている。 う~む。 ちょっと嫉妬してしまう。 「はい。 7歳の女の子です」 「そうなんですか~この子達はみんな、保護猫なんですよね?」 「はい。 みんな、里親さまを募集している子達ですよ」 むむぅ……何時まで楽しそうに話してるのだ。 「僕ら、ペット飼おうか……って少し前に話していて飼う条件とかあるんですか?」 「あ。 そうなんですね! はい、ありますよ例えば――」
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