白昼夢

晴れ渡る晴天を覆い隠すように黒い雲が湧き上がって来た。

ピカ！　ゴロゴロドカーン！

ザアァァァァーーーー

カミナリの音を契機に雨が降り出す。

「「「「キャァァー！！」」」」

音を立てて降り注ぐ雨の中を数人の中高生くらいの女の子たちが駆ける。

と、その中の１人が立ち止まり歩き始めた。

「走らないとズブ濡れになるよ」

「こんだけ濡れたら歩いててもおんなじだわ」

「「「そうだね」」」

歩き始めた女の子の言葉に他の女の子たちも同意して雨に打たれながら歩き始める。

「濡れるとＴシャツが透けて下着が見えちゃう」

「あそこに居るオッサンがガン見してるよ」

「良いじゃん、見てるだけなんだから」

「そうだね、見せつけてやろう」

「「「「アハハハハ」」」」

嗚呼〜雨が止んでしまう。

放射能を含んだ黒い雨が止み、放射能で汚染された大地に半場めり込んだドクロが、雨と共に見た白昼夢を名残り惜しんでいた。