ヒーローを夢見た夏

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ツイッターでは多分、いい年をしているであろう大人がドラゴンボール、ウルトラマン、仮面ライダー、ゴジラ、戦隊ヒーローなどについて真面目にツイートしている ウルトラマンタロウ役の俳優さんに言わせれば「ああいう人たちって純粋だよね」と言うことだ 僕は高3ぐらいまでは本気でドラゴンボールの孫悟空のようなヒーローになれると思い空想ヒーロー小説を書いていた いや、ギリギリ十代の19歳に書いた小説では主人公が正義の味方を職業にする話だったので、あの時までは超能力を持ったヒーローになれる望みがあったと思う だがそんな夢はそのあたりまでだった 20代になると10代に書いていたような空想的な物語がまるで書けなくなった 現実的に不可能だと知るとウソを書く気にはなれなかったのだ 今ツイッターで仮面ライダーやらのことを書いている大人たちもすでに現実は知っているのだろう だが少年時代からのなじみの番組から抜け出せなくなっていると思われる 僕も20代以降も『帰ってきたウルトラマン』や『ウルトラマンタロウ』の再放送を楽しんで観れていた ただそれは昔、夢中になったヒーローを懐かしむ復古主義が大きかっただろう リアルタイムで放送しているヒーロー番組の主演俳優は僕より年下になっていった こうなると、もう完全に夢よさようなら、だ ウソは心に響いてこない そして現実という敵と格闘した乞食俳人・種田山頭火がヒーローとなった
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