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31年前の中1の夏、僕が書いていた歴史小説は「二つの大巨星」というタイトルだった
小6の学校の宿題は自主勉強といい、ノートで2ページを自分で好きなように考えるというものだった
僕は歴史と文学の勉強を合わせたつもりで「大巨星」という西郷隆盛が主人公の小説を書いた
中1当時の90年は西郷隆盛・大久保利通が主人公の大河ドラマ『翔ぶが如く』が放送されていたこともあり、僕は「大巨星」をパワーアップさせた小説の「二つの大巨星」を書き始めた
ただこの小説は宿題ではないので読んでもらえる相手がいなかった
幕末好きの少年の僕だったが、もう1つの大きな流れとして児童雑誌コロコロコミックを愛読しているということがあった
小5の時には編集長の平山隆さんから、アイディアを絶賛されるハガキをいただき僕の創作熱は高まり漫画を本格的に書こうとした
こういった小説・漫画を創作する活動は主に放課後に行っていた
僕は中学でもそれを継続しようと、校則で部活動への入部が強制されていたが、あまり活動していない部へ入ろうとした
だが代々教師を務める頭の固い家を守ろうとする祖母は、僕が入部しようとした部は不真面目であると許さず、兄と同じ部に入ることを強要した
僕は祖母の気持ちを大事にしたかったので言われるがまま兄と同じ部に入ったが、そこで待っていたのはイジメられる地獄のような時間だった
その部では僕の創作もイジメの種にされた
僕は誰にも創作を見せないようになっていき、自分がおかしいと思うようにもなりコロコロコミックを読むのも辞めた
もしこんなことが起こらずコロコロコミックを読み続けていたら漫画や小説を投稿する少年になっていった可能性がある
そうなればよかったなと思うだけの夏になりそうだ
今の僕は自分と同じような乞食文学者の種田山頭火の日記を読み、彼の真実の姿を知って自分もそうあろうとしている
西郷・大久保の史実を知ろうとした魂は受け継がれているようだ
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