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「はい、一日お休みをいただいたので、元気になりました」
「そう、良かったね。征巳もゆりかちゃんと一緒でうれしそうだ」
副社長と私のやり取りを聞いていた征巳さんは、私の腰に手を添えてから、副社長に言う。
副社長を見る彼の表情は、少々険しい。
「会社では、芦田さんでいいと話したよね? ゆりかちゃんと馴れ馴れしく呼ぶなよ。だいたい慶太が奥さん以外の女性をちゃん付けで呼ぶのを初めて見たんだけど……やめてくれない?」
「なんでだよ。 親族になったんだし、ゆりかちゃんは年下だから、ちゃんをつけて呼んでもおかしくはないよな? 馴れ馴れしいとかじゃなくて……親交を深めるためには、構わないだろ? ね、ゆりかちゃん」
副社長は征巳さんに抗議していたのに、最後は私に聞いた。しかも、征巳さんが渋っている『ちゃん』をつけて……。
副社長にダメとは言えないし、別に下の名前で呼ばれるくらい気にはならない。
だから、私は肯定した。
「構わないと思います。そうですよね、副社長とも親族になったんですものね」
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