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中学生になった私達は一度も同じクラスにはなれなかったけれど登下校や昼休みはいつも一緒だった。 2年生の時 何となく興味本位でキスをした。 初夏の夕焼けでオレンジ色に染まった私の部屋で二人共もちろん初めてだった。 何故だろう? 日曜の夕暮れ時に訪れる独特な寂しさからかアイナが私を抱きしめた。 私は当たり前のように彼女の唇に自分の唇を押し当てた。 特に甘くも酸っぱくもない感触に少しだけ期待ハズレだったけれど、アイナの胸の膨らみの方が彼女の唇の柔らかさよりも心地良かった。 私達は薄暗くなった部屋のベッドに座わり暫く抱き合っていた。 私の胸は相変わらずで女のコにもなっていなかったからアイナは気になっていたはずなのに一度も身体の事は聞いてこなかった。 でもこんな事をしたのはこの時を含めて2回だけだ。 3年になって受験勉強を始めるのは6月1日からと二人で決めていた。 部活にも入らず塾にも行かず遊ぶ事しか考えていない呑気な二人なのに何故だかいつも学年で上位の成績だった。 梅雨に入ると私のメンタルがおかしくなり始めイライラと寝不足が続き身体の冷えや不調を感じた。 しんどくなって病院に行くとホルモンのバランスが元々悪かったらしくて病気ではないが薬が必要だと告げられた。 私はこんな時期に”どうして!”と思いながらもいたたまれない身体のムズムズ感とイライラ感の悪循環の中で過ごすしかなかった。
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